SXOの対策とは!?SEOとの違いとは?
「これからの時代はSXOだ」「SEOだけではだめで、SXOを意識しなくてはいけない」という流れに、ここ数年でなってきたように感じます。
SXOとは何か、SEOとの違いは何なのか、どのような対策をしていくべきなのかについて解説します。
SXOとはユーザーの検索体験を重視したSEO
SXOとは略さずに⾔うと「Search Experiece Optimization」です。太字にした部分がSEO「Search Engine Optimization」との違いで、そのまま略すと同じSEOになってしまうので⼆⽂字⽬をとってSXOと呼ばれています。
SXOとは
SEOは「検索エンジン最適化」であるのに対して、SXOは「検索体験最適化」です。
つまりSEOでは検索エンジンに向いていたベクトルが、SXOでは検索ユーザーに向いているのです。ここがSEOとSXOの最⼤の違いとなっており、SXOは「⼈に向けた対策」といえます。
勘違いしてはいけないのが「ユーザーが満⾜できるコンテンツを制作することがSXOのゴール」ではないということです。
ユーザーを満⾜させるようなコンテンツをWeb上に提供することにより、結果的に検索結果の上位を取ってマーケットの利益に与(あずか)るのが⽬的です。つまりSXOはSEOの⼀部です。
SEOの⼀部にスポットを当てて別の名前をつけただけ、と⾔ってもいいでしょう。インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの関係みたいなものですね。
SXOとして何をすればいいのか
検索体験と⾔ってもぼんやりしていてよくわかりませんよね。SXOはユーザー⽬線に⽴って考えるのが基本です。
- そのコンテンツ⼀つで過不⾜無くユーザーの検索ニーズを満たす
- より早いページの表⽰速度
- 回遊しやすいサイト設計
- ECサイトであれば商品が検索しやすく、会計までの動線が整ったUI
などがSXOとなります。ひとことでいうと「ユーザーのためになるサイト・コンテンツを作ろう」ということです。
もう少し視点を下げた記事執筆でいうなら、
- 検索意図を考えたコンテンツにする
- 起承転結ではなく、結論ファーストの構成にする
- 無駄な情報を⼊れない
- 箇条書きなどを有効活⽤して⾒やすい構成にする
などが⼿段の候補に上がります。
なおSEOを意識したWebライティングについてはこちらでもまとめています。
またサイト設計でいうのなら、
- モバイル対応⼤前提
- コンテンツを構造的に配置する(構造化の記事リンク)
- AMPやキャッシュなどを活⽤する
普段のSEOから下記の対策を⾏えば、それがSXOとなります。
- ユーザーに⾒えない部分(Googleに送られる構造化データやクローラビリティ
など) - ブラックSEO(意図的な被リンクなど)
SEOの本質はGoogleの叶えたい検索の未来に最適化すること
どうしてSXOがこんなにも取り上げられているのでしょうか。「求められるSEOのレベルがどんどん上がってきたこと」が原因として上げられます。
その昔検索エンジンは未熟だった
といってもGoogleの求めることは検索エンジン黎明期から変わりません。「Googleが掲げる10の事実」のトップに
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」
とあるように、Googleは検索ユーザーのことを⼀番に考え続けています。しかしこの10の事実をGoogleが掲げたとき、検索アルゴリズムは未熟でした。
キーワードをコンテンツ内に散りばめていくだけで上位表⽰が取れたり、被リンクを当てるだけで順位が上がったりしたのです。
簡単に⾔うと当時の検索エンジンは
- よい記事の中にはキーワードがたくさん含まれているはず
- 良い記事は外部からのリンクがたくさんあるはず
という⽅針でした。
そのため上記のような検索エンジンの⽳を突いた「ゲリラ的」とも⾔えるブラックSEOが横⾏しました。
本当にユーザーのためを考えた良いコンテンツを作ってもブラックSEOの間に挟まれて上位表⽰できない、という状況になっていたのです。
まさしく「みんながドーピングをするからドーピングをしないと勝てない」状態です。とはいえ所詮ブラックSEOはゲリラ戦。
検索アルゴリズム変更との戦いは「いたちごっこ」そのものでした。
現在検索エンジンはかなり進化した
しかし、ここ数年Googleのアルゴリズムは⼤幅に進化しました。⾃然⾔語処理N-gramやユーザーの追跡によって、本当にユーザーのためになるコンテンツとそうでないコンテンツの違いを認識しはじめたのです。
⽂章を認識することにより、ワードサラダのような不⾃然な⽂章は⼀気に淘汰されました。そしてユーザーを追跡することで「そこで検索が終わるような記事」と「⼀瞬で閉じられてほかへ移られる記事」というものがわかります。
すなわちアクセスを集めないペラペラなサイトからの被リンクは無意味、むしろペナルティの対象となっていきました。こうなってくると⼩⼿先のゲリラ的SEOテクニックは通⽤しません。
ユーザーが実際に満⾜している記事を正当に評価できるようなアルゴリズムに、検索エンジンが進化したわけですね。
実際ユーザーにとって価値の⾼い記事がどんどん検索順位を上げていく傾向がはっきりするに連れ、SXOは⼀気に広まっていきました。SEOに関わる⼈がしきりに発する「時代はSXOだ」の意味は、「⼩⼿先のSEOでなんとでもなった時代ではない」と解釈するのが正しいでしょう。
なぜGoogleは検索体験を重視しているのか
なぜGoogleはユーザーの検索体験をこんなにも⼤事にしているのでしょうか。もちろんGoogleは慈善事業をしているわけではありません。Googleは広告で利益を出している企業で、広告主からの広告代でここまで巨⼤に成⻑してきました。
つまりユーザーをたくさん囲って、広告主とユーザーをマッチングさせることが最重要課題なわけです。
そんなGoogleの検索結果に、ユーザーのためにならない記事ばかりが並んでしまっていたらどうでしょうか。「Googleは使えない︕」と検索体験を損ねてしまえば、Google以外の検索サービスに移ってしまうかもしれません。
Googleユーザーが減ればGoogleに⼊る広告代が減り、Googleはサービスを維持できなくなってしまいます。だからこそGoogleは⼈が⾒て「良い」と感じたコンテンツを検索上位に表⽰するため、検索アルゴリズムのアップデートを繰り返してきました。
現在「良いコンテンツ」について、⼈と機械の間で判断の乖離がなくなりつつあります。
SXOはSEOの⼀つ
- SXOは検索体験最適化
- SXOはSEOの⼀つ
- 具体的な対策としては「ユーザーのためのコンテンツを制作すること」
2020年現在、「タイトルにキーワードを⼊れる」などのSEOテクニックは依然有効です。しかし良いコンテンツがそのまま検索結果に反映されやすくなってきた、というのは確かです。
この傾向が続く限り、この先SEOの⼿段が変わることがあったとしても、基本スタンスとしてユーザーに焦点を合わせていくことで、Googleの理念から⼤きく外れることはないでしょう。
つまりSEOの本質は、ユーザーに寄り添い、Googleの叶えたい検索の未来に最適化すること、と⾔えるのです。ユーザーを顧みないSEOで検索を取ってきた⽅は、⽅向性を改める時期が来ていると感じます。また今までユーザーを⼤切にコンテンツ作りをしてきた⽅は、そのまま今まで通りのSEOを続けていきましょう。