SEOにディレクトリ構造は関係ない?それでもディレクトリ構造が⼤切な3つの理由
「SEOにディレクト構造を構築することが重要である」と聞いたことがあるWebマーケティング担当者の⽅は多いのではないでしょうか。
実は、SEOにディレクトリ構造は関係ありません。今回はディレクトリ構造とSEOが関係ない理由と、それでもWebサイト運営ではディレクトリ構造を構築するべき理由について解説します。
ディレクトリ構造とは
Webサイトにおけるディレクトリ構造とは、PCでいうところの「フォルダの⼊れ⼦構造」のことです。
Webサイトでのディレクトリ構造は
第⼀階層 | https://exam.com |
---|---|
第⼆階層 | https://exam.com/seo/ |
第三階層 | https://exam.com/seo/directory-is-important/ |
といった形でURLによって表されます。
多くのWebメディアでは
- 第⼀階層がトップページ
- 第⼆階層がカテゴリ分類ページ
- 第三階層が記事ページ
となっています。
コーポレートサイトの場合は
- 第⼀階層が会社のトップページ
- 第⼆階層がブログページトップ
- 第三階層がカテゴリ分類ページ
- 第四階層が記事ページ
というディレクトリ構造が多いイメージです。
SEOにディレクトリ構造は関係なし
この中でJohn Mueller⽒は次のように述べています。
「クロールする際に、URLによる分類は基本的には⾒ていない。ユニークなURLでユニークなコンテンツを表⽰するかだけを⾒ている。その分類を⽰す⽂字列をURLに⼊れる必要はないし、URLに意味的な要素を持たせる必要もない。」
SEOに⼤切なのは、ディレクトリ構造ではなくクリック階層
SEOに重要な意味をもつのはディレクトリ構造ではなく、クリック階層です。
クリック階層とは「トップページからそのページにたどり着くまでのクリック数」です。
ディレクトリ構造で第三階層である記事ページも、トップページにリンクが貼ってあればクリック階層としては第⼆階層となります。
ユーザーの利便性を意識する検索エンジンとしては、ページがサイトのどこにあるのかというよりもユーザーから⾒てどれくらいアクセスしやすいか、ということを重要視しています。
ユーザーに階層を伝えるにはパンくずリストが有効
「ディレクトリ構造は関係ないと⾔っても、今⾒ているコンテンツがサイトのどこにあるかわかる⽅がユーザーにとっても便利だろう」と考える⽅も多いと思います。
その役割は「パンくずリスト」が担います。
パンくずリストとはページの上の⽅に「トップ>カテゴリ名>ページ名」のように表⽰されている部分です。カテゴリ名をクリックしたらそのカテゴリに属するコンテンツが⼀覧表⽰されるので、ユーザーの利便性も確保されます。
SEOに関係がなくてもディレクトリ構造を重視するべき3つの理由
SEOにディレクトリ構造は直接関係ありませんが、ディレクトリ構造が整理されていることで、結果的にSEOに影響します。
ユーザビリティが向上する
先程ご紹介したように、ユーザーへのナビゲーションは「パンくずリスト」が担いますが、中にはパンくずリストを利⽤せず、URLを使って現在位置を知ろうとするユーザーもいます。
またURLの⼀部を削除することによって、⼀階層上のページを⾒ようとするユーザーもいます。
この操作はディレクトリ構造が整理されていないWebサイトでは対応できず、結果としてユーザビリティを損ねてしまいます。反対にURLを重視するユーザーへの利便性を⾼めるとことで、結果的に検索順位にもいい影響を与えます。
クローラビリティが向上する
さらにディレクトリ構造を整理することは、Googleをはじめとする検索エンジンのサイト理解へも役⽴ちます。実際にGoogleの検索エンジン最適化スターターガイドにも
「Googleの検索結果はページ単位で提供されますが、サイト全体という⼤きな視点から、そのページがどのような役割を果たしているのかについても、Googleは理解したいと考えています。」
と記されています。
「(ディレクトリ階層がしっかり書き込まれた)URLは順位には関係ない」とはいえ、そのページのサイト内の⽴ち位置は検索エンジンに正しく伝えられるに越したことはありません。
サイトの管理が楽になる
さらにカテゴリごとにページを分けることによって、更新の抜け漏れが減り、記事やコンテンツの管理が楽になります。
昨今Googleはページの更新が重要視されている状況にあります。
ディレクトリ構造を整理して更新しやすい環境を整えることは、SEOにプラスとして間違いなく働くでしょう。
ディレクトリ構造構築の上で注意したいこと
次に、実際にディレクトリ構造を整えていく上で注意したいことを5つご紹介します。
URLを⻑くしない、⽇本語(全⾓)を使わない
ディレクト構造整理には、ユーザビリティ向上の側⾯がかなりあります。この側⾯から、URLを無駄に⻑くしてはいけません。
また、読んで意味がわかるようなURLがベストです。合わせて、URLに⽇本語を含むようなディレクトリ整理をしてはいけません。
「⽇本語のURLの⽅がわかりやすくてユーザーにとっても利便性が⾼い」と考えられていた時期もありましたが、
- 記事を共有する際、無機質な英数字のURLに置き換えられるのでユーザーをびっくりさせる(共有の妨げになる)
- ⽇本語でURLが表⽰されないブラウザもあるという理由で、⽇本語はおすすめしません。
カテゴリの階層構造を守る
「商品ジャンル⼀覧>商品名⼀覧>商品関連記事」
のように、⼤きなカテゴリから⼩さいカテゴリに収束していくように階層構造を⽣成しましょう。PCのなかにフォルダを作るイメージでディレクトリ構造を作れば、まず問題ありません。
ありがちなパターンとして、上記でいうところの
「商品ジャンル⼀覧」
のページ内に「商品名」がひょっこり⼊ったような構造にはならないよう注意しましょう。
ディレクトリ構造を深くしすぎない
「会社トップページ>ブログトップページ>⽇常のこと>2020年>上半期>6⽉>記事ページ」
のようなディレクトリ構造にするのはよくない、ということです。
「URLは順位には関係ない」とはいえ、ここまで深いときちんと内部リンクで⽬標の記事まで流せる導線がないと、最悪クロールされないことがあります。
この場合は
「会社トップページ>ブログトップページ>⽇常のこと>記事ページ」
くらいに留めておき、細かい分類はタグを有効活⽤しましょう。
内部リンクをしっかり貼る
ディレクトリ構造の⾒た⽬を整理しただけで満⾜してはいけません。内部リンクもしっかり貼っていけるようなサイト設定を⾏いましょう。
ディレクトリ構造がSEOに与える影響は⻑期的なものですが、内部リンクなどで整えられるリンク階層はSEOに短期的に影響を与えます。
URLを変えるかどうかをよく検討する
URLが変わると、それまで検索エンジンから得ていた評価が⼤幅にリセットされます。
なぜなら、SEOに重⼤な影響を与える被リンクが無くなるからです。
カテゴリを整理するだけでも、その下に属していたページすべての被リンクがなくなり、リセットされてしまいます。サイト運営者側からするとかなりの痛⼿ではないでしょうか。
もちろん301リダイレクトや正規化を⾏うことによって対処は可能ですが手間の掛かる作業です。
そのためブログ運営者の間ではこの影響を嫌って、
「https://exam.com/記事名」
のようにトップページの下にダイレクトに記事を置いてしまう方が良いという⼈もいます。
サイトマップとパンくずリストを作成することで、ユーザビリティはある程度担保できるという考えです。
SEOに関係なくても、Webサイトとしてディレクトリ構造は重要
今回は
- ディレクト構造はSEOには関係がないこと
- SEOに影響があるのはクリック階層
- それでもディレクトリ構造は整理するべし
- ディレクトリ階層を整理する上での注意点
についてお話ししてきました。検索エンジンがURLは関係がないとは⾔ってもユーザーの中には重視している⼈もいます。こうしたニーズに応えユーザビリティを⾼め、SEOを進めていきましょう︕